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和楽器豆知識

太棹三味線

楽器


太棹三味線(田中悠美子)

義太夫三味線には棹の太い太棹(ふとざお)と呼ばれる三味線が使われる。胴も大きく、絃も太い。(細棹:長唄、端唄、小唄など、中棹:常磐津、清元、新内、地歌など)
太棹は津軽三味線でも使われるが、糸の太さ、撥(ばち)や駒の素材が違い音色も大きく異なる。胴は桜の木が使われる。両面に二枚張られる皮は犬皮、或いは猫皮が使われる。
〈駒(こま)〉は水牛の角でできており、二ヶ所に打ち込んでいる鉛が音色に大きく関わっている。奏者は皮の厚さとのバランスなどで、駒の重さを選ぶ。
三味線の三弦は絹糸で、〈一の糸〉、〈二の糸〉、〈三の糸〉と呼ばれる。一の糸が最も太く、一の糸、二の糸、三の糸の重さは、およそ三対二対一となる。
棹の上部には竹製の〈上駒(かみごま)〉がある。三の糸と二の糸はこの駒に乗っているが、一の糸は乗っていない。一の糸が振動した時は棹の二ヶ所(〈サワリ山〉と上駒のない部分)に瞬間的に触れるようになっており、様々な振動数の音が同時発生して〈うなり〉の現象を起こす。これが〈サワリ〉の音色で、三味線の音色の個性となっている。
〈指すり〉は木綿や毛糸で編んであり、左手が棹の上をよくすべるようにする。
撥(ばち)は象牙製だが、稽古用には糸に当たる部分が象牙で他が木製のものを用いる。撥先の絃に当たる部分二ヶ所には細い三角形の〈耳〉と呼ばれる象牙の別作りのものが糊付けされており、消耗時に取り替えられるようになっている。撥を握る部分と親指が当る部分にはすべり止めの和紙を貼る。

歴史

三味線の伝来は永禄年間(1558-1570)に琉球より大阪の南、堺港に三弦が渡来したことに始まると言われている。織田信長が天下統一をめざして華々しく活躍していた頃で、盲目の琵琶法師の手により日本の風土、日本人の感性にあったものに改造されていった。
「歌いもの」として上方で発生した地歌や、江戸で歌舞伎の舞踊音楽として発展した長唄などの伴奏楽器となる一方、物語り琵琶の伝統を受け継いだ「語りもの」浄瑠璃の伴奏楽器となる。
浄瑠璃という名称は、牛若丸と浄瑠璃姫の恋物語りをテーマとした「浄瑠璃十二段草子」という作品名に由来し、一般名称化した。これが人形操りと結びついて人形劇の音楽として普及する。貞享元年(1684)、竹本義太夫によって義太夫節が樹立され、上方で浄瑠璃と言えば義太夫節をさすほどの人気を得た。戯曲作家として近松門左衛門が世界的に有名。

音階・奏法

三味線の音高を示す勘所は、いろは四十七文字を使う
三味線の代表的な調絃法は三種類
〈本調子〉、〈三下り〉、〈二上り〉

義太夫節の前奏
ソナエ 時代物の一段目の冒頭に使われ、重々しい格式のある雰囲気を表現
オクリ 時代物、世話物の二段目以降の曲の冒頭や、一段の中で舞台装置が変わらず、太夫と三味線が交替する時などに使われる。
三重 時代物、世話物で、舞台装置が変わり、太夫・三味線も交替する場面で使う。

太夫の語りと音楽
詞(ことば) 会話の部分
色・地色 〈詞〉と〈地〉の中間部分
地・地合 情景や登場人物の説明にあたる部分で、旋律が確認できる部分
  →「落シ」:フシの中に使われる下降旋律のうち、最も誇張された表現
  →「クドキ」:女主人公の悲しみを表現

チャリ場:コミカルな場面
写実性に重点を置く
太夫と同様に三味線の音色で“情”を語る。
〈音色〉、〈音を遣う〉、〈言葉〉、〈息〉 *息の扱い→〈腹〉、〈間〉、〈足取り〉、〈運び〉

文楽

義太夫節を地として行なう人形芝居。
三業:太夫、三味線、人形遣い

戯曲の種類

時代物:江戸時代より古い時代のできごとを題材にしたもので、公卿や武家によってまきおこされた事件を題材にしている。(例;「仮名手本忠臣蔵」、「義経千本桜」)

世話物:江戸時代の町人の世界を扱ったもの。(例;「曾根崎心中」、「艶容女舞衣」)

道行・景事:場所から場所へ旅をする様子を地名や風景を詠み込みながら表現する道行。景事は、道行の叙景的な部分や名所尽し、また人形が舞踊的所作をする部分をさす


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